○王寺町まちづくり基本条例

令和2年12月16日

条例第35号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本原則(第3条)

第3章 町民(第4条)

第4章 議会(第5条)

第5章 行政(第6条―第8条)

第6章 町政運営(第9条―第11条)

第7章 参画と協働(第12条―第15条)

第8章 広域での連携及び協力(第16条)

第9章 条例の検証及び見直し(第17条)

附則

聖徳太子が説いた「和(わ)の精神」を現在に伝える「和(やわらぎ)の鐘」が鳴るまち王寺町。

町内には、聖徳太子が達磨大師と出会い、助けたという片岡飢人伝説を創建由緒とする達磨寺があり、国指定重要文化財「木造聖徳太子坐像」や、太子の愛犬・雪丸の石造物が残っています。

王寺町は、奈良県の西の玄関口として鉄道がいち早く開通し、王寺駅を中心に西和地域の中核都市へと発展してきました。

王寺町は、多くの人が暮らす生活都市であるとともに、大和川・葛下川や明神山などの水と緑に恵まれた自然豊かな町です。

さまざまな地域とつながり、歴史と文化、人と自然、そして人と人がつながり合う王寺町。

わたしたちは、将来にわたって、社会潮流が変化する中においても、先人たちが築き上げてきた町を守り、さらに発展させて子どもたちに引き継がなければなりません。そのためには、町民一人ひとりがまちを愛し、誇りに思うと同時に、まちづくりの担い手としての自覚と責任を持って主体的に行動する意識「シビックプライド」を育み、協働によるまちづくりを推進する必要があります。

王寺の人々が町に明るい希望を抱くとともに、いきいきと活躍できるよう、王寺町まちづくり基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的及び条例の位置付け)

第1条 この条例は、王寺町におけるまちづくりの基本原則を明らかにし、町民の権利及び責務、議会及び行政の責務並びにまちづくりに関する基本的な事項を定めることにより、町民、議会及び行政が協働する豊かで暮らしやすい地域社会の実現を図ることを目的とします。

2 この条例は、王寺町の地方自治及び町政に関する最高規範であり、町民、議会及び行政は、この条例を遵守するものとします。

3 議会及び行政は、他の条例及び規則等の制定又は改廃を行うに当たっては、この条例の趣旨を最大限に尊重し、この条例との整合を図らなければなりません。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。

(1) 町民 町内に居住する者、町内で学ぶ者、働く者及び町内で事業を営むなど活動を行うものをいいます。

(2) 行政 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会及びその補助機関をいいます。

(3) 参画 政策の立案、実施及び評価の各段階に町民が主体的に参加し、行政の活動に広く関わることをいいます。

(4) 協働 町民、議会及び行政並びに町民同士がお互いの役割と責任を自覚し、それぞれの自主性を尊重、協力し合いながらまちづくりに取り組むことをいいます。

(5) コミュニティ 町民一人ひとりが自ら豊かな暮らしをつくることを前提とした、さまざまな生活形態を基礎に形成する組織及び集団をいいます。

第2章 基本原則

第3条 町民、議会及び行政は、次に掲げる事項を基本原則として、まちづくりを推進します。

(1) 参画と協働の推進 まちづくりに関わる場又は機会を開かれたものとし、町民のまちづくりへの参画と協働を推進します。

(2) 情報の共有 相互にまちづくりに必要な情報を伝え合い、これを共有します。

(3) 環境との共生 まちの歴史及び自然を大切にし、環境との共生を図ります。

(4) 新時代への挑戦 社会潮流に対応した新しい取組に積極的に挑戦します。

(5) 多様性の尊重 町民一人ひとりの基本的人権を守り、多様な属性や文化を尊重します。

第3章 町民

(町民の権利及び責務)

第4条 町民は、まちづくりの主体であり、町政に参画する権利を有するとともに、不参加を理由として不利益な扱いを受けません。

2 町民は、自らの発言と行動に責任を持ち、まちづくりに積極的に参画するものとします。

3 町民は、町民同士並びに議会及び行政と連携し、又は協働しながら、安心、安全に暮らせる地域づくりに取り組むものとします。

4 子どもは、地域社会の一員として尊重され、健やかに育つ権利及びそれぞれの年齢に応じてまちづくりに参画する権利を有します。

5 町民は、議会及び行政と連携し、子どもがまちづくりに参画するための環境づくりに努めなければなりません。

第4章 議会

(議会及び議員の責務)

第5条 議会は、直接選挙により信託を受けた議員により構成され、条例の制定及び改廃並びに予算の議決及び決算の認定等の町政の重要事項についての町の意思決定機関であり、この条例の趣旨に基づき、適切に運営されなければなりません。

2 議会は、町民の意思が町政運営に適切に反映され、町政が適正かつ効率的に執行されているか監視し、けん制に努めなければなりません。

3 議会は、議会活動に関する情報の提供を図り、町民に分かりやすく、開かれた議会運営を行うよう努めなければなりません。

4 議会議員は、この条例の趣旨に基づき、議員活動を通じて地方自治の実現及びまちづくりの推進に努めなければなりません。

5 議会議員は、総合的な視点に立って公正かつ誠実に職務を遂行し、町民の負託に応えなければなりません。

6 議会議員は、政策の提言及び提案に努めなければなりません。

第5章 行政

(行政の責務)

第6条 行政は、この条例の趣旨に基づき、町民の意思を反映したまちづくりを進めるものとします。

2 行政は、政策の企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、町民参画の機会の拡充を図るものとします。

3 行政は、まちづくりを行う町民の自主的、自律的な活動を尊重するとともに、国籍、民族、性別、年齢、社会的又は経済的環境等にかかわらず、多様な主体がまちづくりに果たす役割を重視し、人づくりの推進と権利の保障及び拡大に努めなければなりません。

(町長の責務)

第7条 町長は、町政の代表者として町を統括し、町民のために公正かつ誠実に町政の執行に努めなければなりません。

2 町長は、町民の信託のもと、町政運営を通じて、この条例の趣旨に基づき、地方自治の推進に努めなければなりません。

3 町長は、前2項に規定する責務を遂行するに当たり、町職員を適切に指揮監督し、人材育成を図るとともに、多様化する行政課題に的確に対応し、効率的かつ効果的な組織運営に努めなければなりません。

(町職員の責務)

第8条 町職員は、全体の奉仕者として、公正かつ誠実に職務を遂行し、町民と対話、調整を行いながら信頼関係の構築に努めなければなりません。

2 町職員は、町政運営を支える役割があることを深く認識し、この条例の趣旨を理解し、地域社会の一員であることを自覚したうえで、積極的にまちづくりの推進に努めなければなりません。

3 町職員は、職務を遂行するに当たり、法令等を遵守し、必要な知識、技能等の向上に努めなければなりません。

第6章 町政運営

(総合計画)

第9条 町長は、この条例で定めたまちづくりの基本原則に基づき、町政運営の基本的な指針及びこれを具体化するための計画(以下「総合計画」という。)を策定するものとします。

2 町長は、総合計画の策定及び総合計画に基づく事業の評価及び検証に当たっては、幅広く町民の参画を得て行わなければなりません。

(情報の公開及び個人情報保護)

第10条 議会及び行政は、別に条例で定めるところにより、議会及び行政が保有する文書を公開するとともに、必要に応じてその情報をわかりやすく提供します。

2 議会及び行政は、個人の権利利益を守るために、別に条例で定めるところにより、保有する個人情報を保護しなければなりません。

(危機管理)

第11条 行政は、災害発生等の不測の事態に備え、町民の生命、身体及び財産を保護するため、総合的かつ機動的な危機管理体制を整備します。

2 行政は、前項の危機管理体制を強化するため、町民、関係機関及び他の地方自治体との連携及び協力を図ります。

3 行政は、危機管理体制の中で自主防災機能の強化を図るため、町民の活動を積極的に支援します。

4 町民は、一人ひとりが、自らの命は自ら守る(自助)、隣近所に住んでいるもの同士で助け合う(互近助)及び自分たちの地域は自分たちで守る(共助)を基本に、平時から家庭、地域、職場等で防災への積極的な取組に努めます。

第7章 参画と協働

(参画と協働の推進)

第12条 町民、議会及び行政は、それぞれの特性を理解し、互いに尊重し合い、協働してまちづくりに取り組むものとします。

2 行政は、まちづくり及び地域の公共的課題の解決について、多様な主体がその担い手となれるよう、協働を進めるための仕組みづくりや必要な支援を行うものとします。

3 行政は、町民のまちづくりに参画する機会を保障するとともに、町民の意見が反映されるよう、制度づくりを行うものとします。

(コミュニティの形成)

第13条 町民は、自治会、住民活動団体等への参加を通じて、お互いに助け合いながら、地域の課題の解決や共通の目標達成に向けて行動するため、良好なコミュニティを形成するよう努めるものとします。

2 町民は、良好なコミュニティを形成するため、お互いに情報の提供と共有を進め、連携してまちづくりを行います。

3 議会及び行政は、協働のまちづくりを進めるため、コミュニティ活動を尊重するとともに、必要に応じて支援を行います。

(まちづくり協議会)

第14条 町民は、一定のまとまりのある地域内において、自治会、住民活動団体、NPO法人及び事業者等の多様な主体で構成されるまちづくり活動を行う組織(以下「まちづくり協議会」という。)を設置することができます。

2 まちづくり協議会は、当該地域の町民に開かれたものとし、行政及びその他の組織と連携しながらまちづくり活動を行うものとします。

3 行政は、まちづくり協議会の設立や活動に対して、協働のまちづくりを推進するための必要な支援を行うものとします。

4 行政は、まちづくり協議会の意向を踏まえ、事務事業の一部を当該まちづくり協議会に委ねることができます。この場合において、行政は、その実施にかかわる経費等について必要な措置を講じなければなりません。

5 前各項の実施に関して必要なことは、別に定めます。

(町政への参画機会の充実)

第15条 行政は、町政の方針及び動向等の情報について、多様な手段で分かりやすい広報を行い、また、多様な手法で広聴に努めます。

2 行政は、町政に関する重要な条例の制定又は改廃及び計画の策定、変更又は廃止に際しては、町民等から広く意見を募るパブリックコメントを行うものとします。パブリックコメントの実施について必要な事項は、別に定めます。

3 行政は、行政が設置する審議会の委員を選任する場合は、必要に応じて町民から公募した委員を加えるものとします。

4 審議会の会議及び会議録は、原則として公開します。

5 町長は、広く住民の意思を直接問う必要があると判断した場合は、住民投票を実施することができます。

6 住民投票の実施に関することは、その都度条例で定めます。

第8章 広域での連携及び協力

第16条 行政は、共通する課題を解決するため、他の地方自治体、国及びその他の機関と相互に連携を図りながら協力して、まちづくりを推進しなければなりません。

2 町民は、他の地方自治体の住民と交流及び連携を図り、その知恵や意見を、まちづくりに活用するよう努めるものとします。

第9章 条例の検証及び見直し

第17条 行政は、この条例の施行後5年を超えない期間ごとに、社会状況の変化に応じて、この条例の内容に見直しが必要か検証しなければなりません。

2 行政は、前項に規定する検証及び見直しを行うときは、多様な手段を用いて町民の意見を聞かなければなりません。

附 則

この条例は、令和3年4月1日から施行します。

王寺町まちづくり基本条例

令和2年12月16日 条例第35号

(令和3年4月1日施行)