○王寺町政治倫理条例

平成15年2月5日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手たる町長、副町長及び教育長(以下「町長等」という。)が町民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、町政に対する町民の信頼に応え、公正で開かれた町政の発展に寄与することを目的とする。

(町長等の責務)

第2条 町長等は、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、自ら進んでその高潔性を明らかにしなければならない。

(町民の責務)

第3条 町民は、自らも主権者として町政を担い、公共の利益を実現する責務を負うものであるとの自覚をもち、町長等に対し、次に掲げる働きかけを行ってはならない。

(1) 第4条第3号に規定する工事等の指名又は選定の依頼

(2) 町職員の採用に関しての推薦又は紹介の依頼

(3) 道義的批判を受けるおそれのある寄付行為

(4) その他、飲食の供与等社会通念上疑惑をもたれるおそれのある行為

(政治倫理基準)

第4条 町長等は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 町民全体の奉仕者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 刑法(明治40年法律第45号)の規定による贈収賄罪に該当するか否かを問わず、その職務の公正を疑わせるような金品等の授受の行為をしないこと。

(3) (町が関係する公社及び法人を含む。)が行う工事等の請負契約、下請工事、業務委託契約及び一般物品納入契約に関して特定業者を推薦、紹介する等有利な取り計らいをしないこと。

(4) 公正な人事を図るため、町職員(臨時職員を含む。)の採用に関して推薦又は紹介をしないこと。

2 町長等は、政治倫理に違反する事実があるとの疑惑をもたれた場合は、第6条に定める政治倫理審査会に出席し、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責務を明らかにしなければならない。

(町の工事等の契約に関する遵守事項)

第5条 町長等の配偶者並びに1親等、町長等が役員をしている企業及び町長等が実質的に経営に携わっている企業は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第92条の2、第142条、第166条及び第180条の5の規定を尊重し、町(町が関係する公社及び法人を含む。)が行う工事等の請負契約、下請工事、業務委託契約及び一般物品納入契約を辞退し、町民に疑惑の念を生じさせないように努めなければならない。

2 町長等は、前項の規定により関係企業が契約を辞退するときは、町民に疑惑をもたれないように責任をもって関係企業の辞退届を提出するものとする。

3 前項の辞退届は、町長等の任期開始の日から30日以内に町長に提出するものとする。

4 町長は、町長等の辞退届の提出状況を公表するものとする。

(政治倫理審査会の設置)

第6条 政治倫理確立に関する必要な事項を調査するため、法第138条の4第3項の規定に基づき王寺町政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会の委員は、原則として次のとおりとし、町長が選任する。

(1) 専門的知識を有する者又は有識者 2名

(2) 法第18条に定める選挙権を有する町民 5名

3 審査会の委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の者の同意を必要とする。

5 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(町民の調査請求権)

第7条 町民は、町長等が第4条及び第5条の規定に違反する疑いがあると認めるときは、これを証する書面を添え、法第18条に定める選挙権を有する者の200分の1以上の連署とともに、文書で町長に調査を請求することができる。

2 町長は、前項の規定による調査の請求を受けたときは、10日以内にその書面の写しを添えて審査会に調査を求めるものとする。

(審査会の調査)

第8条 審査会は、第7条第2項の規定により調査を求められたときは、当該事実の存否の調査を行い、60日以内に調査結果報告書を町長に提出しなければならない。

2 町長は、前項の規定により調査結果の報告書の提出を受けたときは、10日以内に請求者に文書で回答するとともに、速やかに公表しなければならない。

3 審査会は、第1項の調査を行うため、関係者から資料の提出を求め、事情聴取を行うことができる。

(町工事等に関する遵守事項の違反行為に対する措置)

第9条 町長等が第5条に違反している疑いがある場合、町長は、速やかに審査会に調査を依頼しなければならない。

2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの結果が出た場合、町長は、当該契約を締結してはならない。この場合において、町長は、その旨を公表するものとする。

(その他政治倫理基準の違反行為に対する措置)

第10条 その他、この条例に定める政治倫理基準に違反している疑いがある場合、前条に準じて町長は、審査会に調査を依頼しなければならない。

2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの結果がでた場合、町長は、その旨を公表するものとする。

(贈収賄罪による起訴後の説明会)

第11条 町長等が刑法第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪により起訴され、なおその職務にとどまろうとするときは、町長は、当該町長等の請求により、町民に対する説明会を開催し、当該町長等に出席、釈明させるものとする。

2 前項の説明会開催請求は、起訴された日から50日以内にしなければならない。

(委任)

第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(経過規定)

2 この条例の施行の際、現に町長等である者の第5条の規定の適用については、同条第3項中「町長等の任期開始の日」とあるのは「この条例の施行の日」とする。

(平成18年条例第29号)

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

王寺町政治倫理条例

平成15年2月5日 条例第2号

(平成19年4月1日施行)