香芝市議会からの意見書(令和3年8月30日付)に対する王寺町の見解

更新日:2021年11月18日

「一般廃棄物処理施設の整備に伴う関係地域への対策事業に係る経費について適正な負担をするよう求める意見書」に対する王寺町の見解

令和3年8月30日付で、香芝市議会から王寺町長宛に「一般廃棄物処理施設の整備に伴う関係地域への対策事業に係る経費について適正な負担をするよう求める意見書」が提出されました。

経緯について

・昭和51年10月 王寺町と香芝市が一部事務組合「香芝・王寺環境施設組合」を設立
・昭和57年6月 一般廃棄物(ごみ)処理施設「美濃園」(香芝市尼寺615番地)が完成
以来、約40年にわたり操業を継続。

現在、ごみ焼却施設の老朽化により、令和6年8月の新施設完成を目指し、現地での建替を進めているところです。

地元対策経費について

さて、香芝市議会より提出された意見書についてですが、「総額約19億円にも上る地元対策経費については、王寺町は全く負担せず、すべて香芝市が負担しなければならない」と述べられています。

その地元対策は、香芝市が平成26~28年の期間に市内の4自治会とごみ処理施設の新設のため締結された覚書により、それぞれの自治会が要望する道路等の整備等を香芝市が行っていくとしています。

なお、総額約19億円の地元対策事業及び経費の内訳は、次のとおりです。(内訳の出典は、令和3年8月19日開催の香芝・王寺環境施設組合議会「新ごみ処理施設建設調査特別委員会」に提出された資料による。)

・香芝市地域交流センター建設事業(H29年完成) 2億3,119万5千円
・道路新設事業(香芝市尼寺) 1億7,438万7千円
・道路拡幅事業(市道1-28号線) (概算)1億4,600万0千円
・道路拡幅事業(市道1-22号線) 4,001万9千円
・都市計画道路 畑分川線(第1工区) (概算)13億0,000万0千円
18億9,160万1千円
地元対策は従来から各市町で実施

施設の建設に係る地元対策事業についての事務の執行及びこれに係る費用負担については、従前より原則として、地域の特性や要望に応じ、香芝市域における地元対策は香芝市で、王寺町域における地元対策は王寺町で行ってきました。

また、それぞれが行う事業の根拠となる地元自治会との協定書や覚書については、香芝市の地元の自治会長(又は大字総代)とは「香芝市長」名で締結され、王寺町の地元自治会長等とは「王寺町長」名で締結されています。

このため法的にも、香芝市長と締結された協定書や覚書に係る地元対策事業の経費に対して王寺町が負担することはできません。

上記の地元対策事業に係る事務は、香芝・王寺環境施設組合規約第3条「組合は、ごみ焼却場施設の設置並びにこれに伴う財産の取得及び管理運営に関する事務を共同で処理する。」に規定する共同で処理する事務でもなく、明らかに香芝市の事務となるものです。

王寺町に負担を要求することは地方財政法に違反

意見書の中の「ごみ収集車の搬入道路の整備については新たな一般廃棄物処理施設の整備のために必要不可欠で、最重要の事項」であるとして王寺町に負担を求めていますが、道路の整備については、たとえごみ焼却場の建設が発端であったとしても、道路は香芝市が管理する道路であり、ごみ収集車専用でなく不特定多数の誰もが通行できる道路です。特に都市計画道路 畑分川線については、JR王寺駅へのアクセス向上や国道168号のバイパス機能を持つ香芝市の都市計画道路であり、不特定多数の方の受益につながるものです。

また、香芝市地域交流センターについても、覚書を締結した自治会だけが利用できる施設ではなく、市民の誰もが利用できる公共施設です。このことから見ても、香芝市がこれらの「地元対策事業」の事業主体となることは明らかです。

これら意見書における地元対策事業に係る経費を組合や王寺町が負担することは、地方財政法第9条の規定に照らし適切ではありませんし、同法第28条の2で禁じられている「経費の負担区分をみだす」行為となり、法律の主旨に反することとなります。

「19億円」の負担という大げさな主張

また、「総額19億円にも上る地元対策経費」には補助金や起債に対する普通交付税の算入など国の支援があることから、香芝市の実質負担額は約8億円と見込まれ、今回の香芝市議会の意見書はあまりにも過大に主張されています。

「受忍の限度」について

次に、「香芝市の住宅地内を王寺町のごみ収集車が通行し続けてきたことにより、関係地域の住民らに対して受忍の限度を超える生活環境の保全上の支障を生じさせている」と述べられていますが、そもそも「受忍の限度」の具体的内容は、法律や条例の基準に照らし、その地域の生活環境や自然環境、その施設を設置するに至った経緯など総合的に考慮して裁判所等が客観的に認定するものです。

生活環境への影響は問題なし

ちなみに、住宅地内を通行するごみ搬入車両の割合は、王寺町が約2割、香芝市が約8割 (令和3年8月実績)となっており、平成29年3月の香芝・王寺環境施設組合による「一般廃棄物処理施設整備に係る生活環境影響調査書」では、「騒音」「振動」「悪臭」の影響は、環境基準等の生活環境保全上の目標を下回っているという結果が示されています。

最後に

このような実情にも関わらず、香芝市議会から一方的にこのような事実と異なる内容の意見書が提出されたことは大変遺憾であり、広く住民の皆様にことの経緯を正確にご理解いただくため公表いたしました。

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