○王寺町人権擁護に関する条例

令和5年3月13日

条例第3号

王寺町部落差別等あらゆる差別をなくすことを目指す条例(平成6年12月王寺町条例第31号)の全部を改正する。

昭和21年10月に定められた日本国憲法は、国民にすべての基本的人権の享有が妨げられないこと、法の下に平等であることを定め、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されないとしている。また、昭和23年12月に国連総会において採択された世界人権宣言においても、すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等であるとして、基本的人権尊重の原則を定めている。

王寺町においては、昭和40年9月に定めた町民憲章において、聖徳太子が説いた「和(わ)の精神」を現在に伝える「和(やわらぎ)の鐘」がなるまちの町民として、「きまりをよくまもり住みよいまち」「未来をつくる子どものしあわせなまち」を目指すことを謳い、これまで多くの人々の努力の積み重ねにより、人権擁護のための取組が行われてきたところである。

しかし、現状をみると、部落差別をはじめ、外国人、女性、子ども、高齢者、障がい者、性的少数者に係る差別等社会潮流の変化により人権問題も多様化し、インターネット上での人権侵害も大きな問題となっている。

そこで、あらゆる人権侵害を解消し、全ての人の人権が尊重され、誰も傷つかない、誰も傷つけない、そして誰もが生きがいをもって生活できる地域社会の実現に向け、人権擁護に関する取組を推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、日本国憲法及び世界人権宣言の理念を踏まえ、町及び王寺町まちづくり基本条例(令和2年12月王寺町条例第35号)第2条に規定する町民(以下「町民」という。)の責務を明らかにすることにより、人権侵害が生じることのない、人権を尊重する地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 人は生まれながらにして基本的人権を有しており、町民があらゆる人権侵害が許されないものと認識し、かけがえのない個人として尊重されるものであることの理解を深めることを旨として、人権を尊重する地域社会の実現に向けた施策を推進しなければならない。

(町の責務)

第3条 町は、前条の基本理念に基づき、国、県、その他関係機関との連携を図り、教育、啓発及び相談体制の充実その他の人権侵害の解消を図るために必要な施策を推進し、町民の人権尊重の意識の高揚に努めるものとする。

(町民の責務)

第4条 町民は、第2条の基本理念に基づき、町が行う人権侵害の解消を図るための施策に協力するとともに、家庭、地域、学校、職場、その他のあらゆる生活の場(以下「家庭等」という。)において、人権尊重の意識の高揚に努めるものとする。

(人権を確かめあう日)

第5条 町は、人権についての理解と認識を深め、人権意識の高揚を図るため、奈良県市町村・人権同和問題啓発活動推進本部連絡協議会が設定した毎月11日の「人権を確かめあう日」の意義を踏まえ、積極的に啓発活動を行うものとする。

(教育及び啓発の充実)

第6条 町は、人権尊重の意識の高揚を図るため、家庭等における人権教育に必要な情報を提供して啓発を行うとともに、学習の機会を提供するよう努めるものとする。

(相談体制の充実)

第7条 町は、国、県その他関係機関及び関係団体と連携し、相談機会の周知及び提供並びに実情に応じた相談体制の充実を図るよう努めるものとする。

(調査の実施)

第8条 町は、施策の効果的な推進のため、必要に応じ町民の意識調査を行うものとする。

(計画)

第9条 町は、施策の効果的な推進のため、人権擁護の推進に関する計画(以下「計画」という。)を策定するものとする。

(協議会)

第10条 町は、計画に関する重要な事項を、王寺町人権推進協議会において協議するものとする。

(委任)

第11条 この条例の定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、令和5年4月1日から施行する。

王寺町人権擁護に関する条例

令和5年3月13日 条例第3号

(令和5年4月1日施行)